地域の中で当たり前に「共に生きる」ことのできる社会作りをめざして。静岡市静岡手をつなぐ育成会

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母親座談会 ~わが子の障がいをどのように受け入れたか~

 

座談会出席者の紹介

座談会コアラさん (お子さん:高1男子 自閉症  兄弟:妹 中2)
ご自身について:鼻がデカイ…基本のんびりしているが鋭い爪も持っている!?らしい
お子さんについて:言葉→なし 喜怒哀楽→激しい 基本→素直 激しい反抗期・思春期の峠を越し笑顔がチャームポイントの高校1年生
  
座談会ワンコさん (お子さん:中3女子 自閉症  兄弟:なし)
ご自身について:堅実で、誰にでもしっぽを振る性格です
お子さんについて:思春期真只中、行動が激しくなり日々振り回されている
  
座談会パンダさん (お子さん:中3男子 自閉症  兄弟:妹 小6、妹 小3 )
ご自身について:のんびりしているパンダのような性格です
お子さんについて:思春期に入り最近はできることもできなくなったり日々格闘している
  
座談会りす子さん (お子さん:中1男子 発達障害・多動  兄弟:姉 高1)
ご自身について:背が低くてちょこちょこしている
お子さんについて:学校大好き 何でも一生懸命がんばる 今はちょっぴり反抗期
  
 座談会インコさん (お子さん:中1男子 自閉症  兄弟:兄 高1)
ご自身について:よくしゃべって、なんとなくインコのような動きをしているかも
お子さんについて:走るの大好き 学校の行事をがんばっています
  
 座談会やぎ田(司会)(お子さん:18歳男子 ダウン症  兄弟:兄24歳 姉22歳)
ご自身について:ゆったりとした性格で、気ままな感じ
お子さんについて:4月からB型作業所に頑張って通っている 仕事はプラモの袋詰め


<座談会>

座談会やぎ田:それでは今日は「障がいを持つわが子をどのように受け入れたのか」をテーマに座談会を開きたいと思います。この座談会は、まだ小さいお子さんのお母さんやそのご家族に体験談として伝えられたらと思い、開くことになりました。ぜひ、先輩お母さんからの言葉のプレゼントとして役立ててもらえればと思いますので、皆さんよろしくお願いします。

 

Q お子さんを産んだ頃はどうでしたか?

座談会
ワンコさん:ミルクをよく飲み、病気もせず、夜泣きも少なく、あまり手を焼くことなく順調に発育して、穏やかに子育てを楽しんでいました。
 座談会パンダさん:生まれたときは嬉しかった。最初抱っこする時は小さくてどうやって抱っこしていいのかも分からず少し怖かったけど可愛かった。
 座談会インコさん:夜、全然寝ない子だったけど、上の子に比べてなんでも早いと思って心配事は無かった。
 座談会やぎ田:みなさん出産したときは普通に育てていたんですね。リス子さんやコアラさんはいかがでしたか?
座談会リス子さん:うちの子は未熟児で生まれて、保育器に1ヶ月入ったんですが、赤ちゃんにピクっとする症状があったので検査をしました。検査結果は問題がなかったのですが、退院してからも体が弱く、始終病院に行っていました。
座談会コアラさん:うちの子は口唇裂と心房に穴が空いて生まれてきて、体重も少なかったので私はすぐに対面できませんでした。翌朝主人に「赤ちゃん、唇が切れていてね…」と言われました。訳が分からなかったですよね。障がいに対して無知だし、自分の人生にないものだと
 思っていたから…。でも、保育器の中で眠っている息子と初めて対面した時…『かわいい~』の一言しか出ませんでした。そばにいたイケメン医師も「かわいいでしょ~」と。その光景は今でも鮮明に覚えています。その時色んな思いも巡ったけど、生きていてさえくれればと思いました。
 座談会やぎ田:出産した時は、お子さんの病気など心配されたでしょうね。では、次に
  

Q  お子さんが他の子とちょっと違うなと感じたのはいつごろでしたか?

座談会コアラさん:1歳半で歩き始め、言葉もでなかったので発達のゆっくりな子だとは思っていました。公園へ行っても人のいない方へと我が道を行く息子。どこへ向かっているのかこっちには全く分からなくてひたすら追いかけていました。その頃保健師さんから発達のゆっくりな
 子達が通う遊びの教室を紹介され、初めてそういう心配のある子がいると知りました。
 座談会パンダさん:1歳半検診で保健師さんに「病院に行った方がいい」と言われて。
座談会ワンコさん:1歳になる頃言葉が出ないことが気になり始め、ちょうどその時期に引っ越しをしたのですが、近所に同じ年の子どもが多くいて毎日集まって遊ぶ中で、人に興味を示さない、目線が合わない、コミュニケーションが取れない…など、明らかに他の子どもと違うこと
 を感じました。疎外感を感じみんなが公園で遊んでいるのを窓からのぞいて、誰もいなくなったころ外に出ていました。
 座談会インコさん:気がつくと自分の子どもと年齢が同じくらいの子達が会話をしていたのに驚きました。上の子と比べても言葉が遅く、常に動いていると感じがしていました。走り回る子どもが周りに迷惑をかけないように、ぴったりくっついて周りを警護していて…まるで逆SPのよう
 だと思いながら追いかけていました(笑)おかげで上の子の通う幼稚園ではお互い名前も知らないお母さんから「いつも走っている人」と言われていました(笑)
  
 

 Q お子さんに障がいがあると診断された時の受け止めはどうでした   か? ご家族は?

座談会ワンコさん:最初の診断は2歳11ヶ月の時で、中度精神遅滞と診断されました。病院へ行くまでの葛藤や不安の方が大きかったので、診断されたときは特にショックを受けることはなく、診断名が付いたか…くらいの受け止めでした。病院へは夫も一緒に行って主治医の話を
 聞いてくれたので心強かったです。実家の母はショックが大きかったようですが、障がいは
治るもの、治さなければという思いが強く、何かいい薬はないかと探したり、神頼みをしたり…心配をかけていることが心苦しかったです。悲しかったのは義母から「うちにはこうい
う変な子はいなかった」と言われたこと。悪気はなく不意に出てしまったと思いますが、勇
気を出して伝えた時に言われ、呆然としました。
座談会コアラさん:2歳5ヶ月の頃、育児情報誌の中に自閉症の子供の特徴を書いた記事がありました。息子に当てはまり初めて疑いをもち、主人や母に相談できず一人で不安になりました。その後、ワケも分からないうちに通園施設のパンフレットを手渡され、うちの子がこの場所に
 通わなければいけないのか?!正直拒否反応がでました。
 座談会やぎ田:自分自身もまだ納得できない部分もありますよね。家族も動揺して心無い言葉をついかけてしまったのかもしれませんね。私の周りでも、同じような体験をしていらっしゃる方が多いですね。家族の心無い言葉は気を付けてほしいですね。
 座談会リス子さん:私はショックを受けるので障がいについての本などは一切見ませんでした。「この子はこういう子だから」と思うようにしていました。ただ、普通の小学校に入れるとずっと思っていたので、入学できないという現実にショックを受けました。ずっとそのことを受け
 入れられずに葛藤していました。私は人前で泣いたりできないので、昼間は頑張って夜になるとガ―ッと泣いていました。一人で寝ながら泣いていたという感じでしたね。
  
 

Q わが子の障がいをどのように受け止めることができましたか?

座談会ワンコさん:当時の主治医に「障がいの受容というものは、(拒否)認めたくない→(抑うつ)落ち込み.自分を責める→(受容)認めて受け入れる。これを何度も繰り返しながら少しずつ受け入れていくもの。肩の力を抜いて、一人で頑張らない。障がいがあっても、その子なりの
 ペースで必ず成長していく。子どもの力を信じてください。」と言われ、その言葉に励まさ
れました。
座談会パンダさん:私はショックで泣いたけど、診断がついて少しホッとしました。主人は自閉症と伝えてもあまり反応がなかったです。義父母は「小学校に入れば喋れるようになれる」とか、「もっと話しかけないとね」と言われました。その言葉に多少、違和感を感じていました。
 そんな中、実家に帰った時に自分の父が自閉症の本を図書館で借りて、机の上に置いてあったんです。その置いてあった本を見た時に父は父なりに孫の障がいを理解しようとしてくれているんだなと思いました。決して言葉にはしなかったんですが…。そんな姿を見て自分も頑張ろうと思いました。
座談会やぎ田:お父様の理解しようとする気持ちが、パンダさん自身を前向きな気持ちに変えていったんですね。私は、義母から「障がいの子を産んだことは、決して世間から指をさされることではない。堂々と育てなさい。」と励まされ、自分の中に障がいの子を産んで恥ずかしいとか
 隠したいという気持ちを捨てるきっかけになりました。
座談会リス子さん:うちの子は病弱だったので、病院と縁が切れない感じでいました。上に姉もいたので、もう必死でした。実家の母と妹から「最初の1年は、笑った顔を見たことがなかった」と言われました。自分では意識していなかったけれど、必死すぎて笑顔がなかったのかもしれ
 なかったと気づかされました。それからは、家の中ではなるべく笑顔を作るように努力をしています。実は今でも、わが子は障がい児なんだけど障がい児とは思っていないというか、複雑な思いでいます。障がいを受け入れているような、いないような感じなんです。医師から発達の遅れはあるが、自閉症ではないと言われ…。障がい名を診断されていないので、いつか健常児に追いつくと思っていました。だけど、年々差が開いてきて、だんだんとやっぱり障がいがあるんだなと思うようになってきました。
 座談会やぎ田:確かに障がいを受け入れることや病院通いで母親は必死で、笑顔もなくなっていきますものね。でも、そこに気づかれて良かったですね。私も早く知っていれば、笑顔を作って家族に優しくすることを考えることができたかもしれませんね。
 座談会コアラさん:私も障がい児の通園施設でもらった先輩お母さん達の手記の中の「子供はニコニコ笑って過ごしている。自分を不幸だなんて思っていない。人の価値観は人それぞれ違って、親はこの子の笑顔を絶やしてはいけない」という一節を読んで、一気に気持ちが切り替わりました。
 座談会インコさん:私もすぐには障がいを受け入れ、納得することはできなかったけれど、親子教室で同じ悩みを持つお母さん達と話をしているうちに、自然と心が落ち着いて障がいがあるならその専門教育を受けさせるなど、その道を進めば良いんだと考え方を変えることができるよう
 になり、自然と受け入れられるようになりました。育てていく中でも子どもの特徴がわかってきたので、こちらが合わせていこうと思うようになりました。
 座談会パンダさん:私も親子教室で知り合ったお母さんたちに出会えて感謝しています。主人の両親に自閉症と言っても理解してもらえず苦しかった時に、仲良くなったお母さん達によく話を聞いてもらって救われました。また、自閉症と診断されていろいろな問題行動は自閉症だからだ
 と分かって、時間はかかったけど少しずつ受け入れていけました。
 座談会やぎ田:みなさんそれぞれの考え方や受け止め方があるんですね。勉強になりました。
最後になりますが、
  
 

Q お子さんを産んで良かったと思えることを教えてください

 座談会インコさん:一度も後悔したことはないし、生活が変わってしまったけどかわいく思えるので居てくれてよかったと思っている。
座談会ワンコさん:一歩一歩の小さな成長も大きな喜びになっていますし、子どもと一緒に自分自身も親として人として成長させてもらっているのかなと思っています。「障がいは個性」と言い切るわけではありませんが、障がいがあってのわが子であり、そんなわが子と一緒に過ごして
 きた時間は愛おしく感じますし、これからも楽しみです。この子のおかげでいろいろな人とのつながりが出来たこともありがたく思っています
座談会コアラさん:大変なこともたくさんあるけど、この子を通じてたくさんの人、優しさに出会えたこと。 この子がいなければ起きなかった数々のハプニングは子育ての醍醐味。人として親として成長させてもらってます。この子を産んで良かったです。
 座談会リス子さん:子どもを通じていろいろな人と出会い助けられ、私も勉強させられる事がたくさんあります。大変な事は多いですが、笑顔に癒されています。
 座談会やぎ田:わたしもわが子の性格が穏やかなので癒されています。この子がいるお陰で家族がひとつになれると思っています。
今日は貴重な体験をお話してくださってありがとうございました。
      


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