地域の中で当たり前に「共に生きる」ことのできる社会作りをめざして。静岡市静岡手をつなぐ育成会

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わが子の障がいをどう受け入れたか



 

ともに地域で生きる

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    執筆者:Oさん・父親・60歳代   
    子ども:知的障がい・26歳・男性 

26歳の息子は、軽度の知的障害があり、現在は就労継続Aで一般就労を目指して訓練しています。
私の勤務の関係で家族全員が東京暮らしをしていた平成3年、息子が2歳のとき、風邪による高熱で1ヶ月間意識不明におちいり、結果、脳に障がいが残り、軽度の知的障害となりました。言葉も早く、活発だっただけにショックは大きかったですが、1ヶ月間のこん睡状態から戻ってきてくれた喜びの方が大きかったです。
ただやはり、将来のことが心配になり、そこで考えたのが、地域で息子を見守ってもらうことでした。そのため息子には酷なことだったと思いますが、幼稚園(途中から静岡にもどり)、小学校、中学校と普通学級で学ばせました。そして私自身も、町内会活動、PTA活動に積極的に取り組み、地域での息子や私の認知度を高めることに努めました。
小学校では、毎学期、校長に呼び出され、養護学級への転校を薦められましたが、「学習にはついていけないかもしれないが、これからも地域で生きていくしかないのだから、地域でたくさんの友達ができるように、普通学級で学ばせたい」と頑として断り続けました。結果として、今でも一緒に遊んでくれる友達ができましたので、よかったと思っています。しかし一方で、高校から養護学校(南の丘分校)に通い、そこでわかったことは、養護学級であればマンツーマンで指導してくれるので、しっかりと学習できたかも知れないという思いです。どちからがよかったのか、将来、息子が判断してくれると思いますが、息子のためにも、これからも私自身、地域に根ざした活動を続けていきたいと思います。「ともに地域で生きる」これが私たちの親子の永遠のテーマです。






わが子の障がいと生きがい

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 執筆者:Sさん・父親・50歳代  
   子ども:ADHD、広汎性発達障害、知的障がい・20歳・男性 

この子は、遠い世界から私たちの夫婦を選んで生まれてきてくれた、と思えるようになったのは、彼が小学校3年生ころでした。私は妻の誕生日に、一冊の本をプレゼントしました。(『生んでくれて、ありがとう』葉祥明、サンマーク出版、1,500円)。私たちは、彼の障害を理解するために何度もこの本を読みました。今思えば、我が子の障害を受け入れるまで、以下の経過をたどりました。
  ①障害を受け入れられず、発達の遅れがやがて正常にもどると思えた時期(障害の否認)。
  ②多くの医療機関を受診するなかで、「養育態度に問題があったのでは・・」と言われたように
   思えた時期(悲しみと落ち込み)。
  ③子どもの障害の理解より、保健・医療関係者の態度に悲しく虚(むな)しく思えた時期(怒り
   と不信感)。
  ④彼にとって一番大切なことを見落としていたことに気付いた時期(障害の受容と発見)。
  ⑤我が子と共に歩んでいる時期(希望・創造)。
  ⑥親子の絆の大切さに学んだ時期(療育指導)
彼の言動は、これまで私たちに数多くのことを教えてくれました。それは、あたりまえのことが、普通にできることの素晴らしさです。そして今、この子の存在が、私たちの生きがいとなっており、感謝の気持ちで一杯です。(産声(うぶごえ)を聞いた瞬間思ったよ。ありがとう。「病院で父作成」)その人の人生を創り出す、考え方や感じ方・行動や体験などを、これからも私たち家族は、大切にしていきたいと思います。




 

一歩ずつ

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 執筆者:Yさん・50歳代・父親 
 子ども:知的障害を伴う自閉症・中学生・女性

待望の一人娘が誕生し、病気もせず順風の成長をとげ至福の日々が続いていました。
やがて一歳の誕生日を迎える頃、目線が合わない・人に興味を示さない・言葉を発しない等近所の子ども達と比べて成長が遅いと感じ始め、掛かり付けの小児科医の紹介で総合病院の専門医を受診しました。聴力と脳波の検査は問題ありませんでしたが、気になる症状に関しては通院の都度『もう少し経過・様子を見ないと何とも言えない。』というお話の連続でした。頭の中では障害かも?という不安がよぎりつつも診断結果が出ない事もあり気持ちばかりが焦る日々が続きました。
その後別の病院を受診するようになり娘が三歳になった頃、知的障がいを伴う自閉症との診断が下り、定期的な診察と訓練が始まりました。当時の担当の医師は私達の不安に丁寧に対応してくださり、『娘さんは他の子と違って成長がゆっくりなだけです。体は三歳に成長しましたが、心はやっと一歳です。これからも娘さんのペースで必ず成長していきます。子どもの力を信じてください。』という言葉に励まされ、娘の障がいを少しずつ受け入れられるようになり親としての覚悟ができました。
あれから歳を重ね、成長の喜びを味わうと共に数々の問題行動に振り回されることも多く、将来に対する不安は尽きませんが、娘の笑顔と親に対する信頼は何よりも心を癒してくれ、父親として改めてその責任を痛感させられます。今後も娘自身のペースで一歩ずつ成長していく姿を見守り導いていきたいと思います。
最後になりますが、娘の生活や成長は私達親の力だけでなく日頃より関わって頂いております皆様のおかげによるものと感謝しています。この場をお借りしてお礼申し上げます。



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