地域の中で当たり前に「共に生きる」ことのできる社会作りをめざして。静岡市静岡手をつなぐ育成会

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きょうだい



 

~障がいのある兄弟について~  「弟と家族について」

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執筆者:Yさん・姉・20歳代
ご本人:ダウン症・10歳代・男性

私の弟はダウン症です。ふりかえると私は自分が小学
生の頃、よく弟の障害に対して考えていたと思いま
 兄弟
                   写真はイメージです
す。弟が障がいを持っていることに対して、「恥ずかしい」という思いも確かにありましたが、私立中学へ進学してからは周囲に家族を紹介したりすることはなく、弟は弟だと考えるようになりました。また、私は弟が障がい者であること以上に、私は弟に対する両親の接し方への不満の方が大きかったです。障がいがあるから普通の人よりも優しくするという考えは確かに大切です。ですが、弟のやることすべてを取り上げて代わりにしてあげることや、すべてを弟に合わせることは、子供心ながらそれは優しさではないと思っていました。
人間は誰であれ、内外ともに成長する生き物です。失敗経験から多くのことを学んで身につけます。それは障がいがある弟も同じです。やり方を教えて時間がかかってもできるようにしてあげることで成長していきます。
私が中学生の時、両親は私に「弟に対して厳しすぎるのではないか」と時々言いました。ですが、甘やかして何もできないままである方が、私はとても可哀想だと考えます。甘やかさずに挑戦させて出来ることがひとつ増える。これは障がいの有無に関係なく、すべての子育てにおいて大切なことではないでしょうか。家族の成長を喜ばないで、どうして家族といえるのでしょうか。
私の弟はとてものんびりとしていて穏やかな性格です。ですが、教えればゆっくりと学び成長しています。時々駄々をこねることもありますが、やる気を出せばなんでも出来る弟です。そんな弟の持つ可能性を、『ちょっと厳しい姉』の私はいつも信じています。



 

~障がいのある兄弟について~

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執筆者:Iさん・弟・30歳代
ご本人:知的障がい・30歳代・男性

私の兄には障がいがあります。兄の障がいは知的障がいであり、身体障がいの方と違って外見は健常者とほとんど変わりません。小さい頃は寝る部屋も一緒で
 兄弟
                 写真はイメージです
よくてんかんの発作を起こしていました。当時の私の中では、それが普通であると思っていました。
しかし自分の兄が障がい者であるという事が理解できるようになると周りの友人の目を気にするようになりました。本来であれば同じ小学校に通うはずなのに違う学校に通っていることなども、友人に見つかりたくないと感じていました。また、家族の事を自分から話すこともできませんでした。
自分が兄の事を抵抗なく友人に話せるようになったのは、兄が社会に出るようになってからです。毎日自分よりも早く起きて文句ひとつ言わずに働いている姿をみて、兄に対する思いが徐々に変わっていきました。また兄が障がい者の人たちとイベントで笑っていたりしている姿や好きなことに取り組んでいる姿を見ても変わっていきました。
自分自身、障がいを持つ兄の事を受け入れるのに、年数はかかりました。家族で出かけていても距離を置こうとしていた時もありました。しかし今は弟として兄の事を尊敬しています。今の自分があるのはそういった環境があったからです。逆に障がいを持つ兄を持ったことで、強くなれたと感じています。
この先何年後かには、親に代わって兄の事も自分が責任をとってみていくことになります。兄が兄らしく生活や仕事ができるよう、できる限りのサポートをしていきます。そして兄弟以上に両親は苦労を重ねています。兄と一緒に兄弟力を合わせて成長していくことが親に対する孝行になるかと思います。親に対しても、兄に対しても常に感謝を忘れずに接していきます。




~障害のある兄弟について~

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執筆者:Mさん・兄・30歳代
 ご本人:点頭てんかん・20歳代・男性

弟は生後5か月で病気を発症して障がい者になりました。私とそれ程年齢の差はなかったので、私は生まれつきこの子は障がいを持って生まれてきたと思って接
 兄弟
                 写真はイメージです
してきましたが、本当のところはそうではなくて彼はこの世に生をうけた時には通常の状態、健常者として生まれました。
しかし運に恵まれなかったのか人生の最初で大きな転機を迎えて、一般的には不幸と言われるような状態になりましたが、両親の懸命の努力の甲斐もあって症状は徐々に緩和されていき、障がいは残りましたが、一時の最悪の状態は免れました。
障がい者を家族に持つと大変なことばかりで彼には振り回されましたが、今思うとそれはそれで良い経験になったかなと振り返ることができます。
価値観が際限なく移り変わっていく現代社会において、多様な人々と触れ合わなくてはいけないような環境下では彼のような人間が傍に居たおかげで、自身の基準軸から大きくかけ離れた人々と接しなくてはいけない状況でも違和感なく接することができるのは、彼の存在が大きく左右していたのではないかと言えると思います。
障がいは人それぞれ千差万別なので素人としては想像の範囲までしか語れませんが、身内の方は最後の防波堤として温かく見守っていてほしいと思います。



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